囲いのララバイ(子守唄)-ほうき星

人間は考える葦(あし)なのだ パスカルに「想い」を馳せて考える ダンテに「思い」を重ねてみる なんでもかんでも感じるままに 「想いも思いも重くあれ」と考える 重くて重くて底に届かなくても感じるままに 空の青さにおののいて そしられもせず ほめられもせず 過ごしている「魂」が あわれさも忖度できずに考える 夜の寒さにうなだれて 花びらを閉じていた 小さい花々 陽が輝きだすと 立ち上がり みごとに花を開くように考える 考えて想って つら抜いて君は行く 君を越えて 君を思って 俺は行けるか 地獄をめぐれば 次は煉獄 その先は天国の囲い

呵責苦悶 憂いの中の悩みへと 君がそっと 泣いている 号泣を堪え 口を押えて溜息とする 鳴呼 ふたりぼっちは ひとりぼっち 君は俺 俺は君 囲いをまとい 自問自答 問いかけて届くのは 毎日の21時 痛々しい嘆きもおもんぱかって あたらしい呵責 あたらしい憂いと伴に そろそろ土竜(もぐら)になる時刻 君が俺に 俺は君へ 声を出さずに口ずさむ そっとララバイ おやすみララバイ(子守唄)

作品タイトル

囲いのララバイ(子守唄)

作者

ほうき星

作品本文

人間は考える葦(あし)なのだ
パスカルに「想い」を馳せて考える
ダンテに「思い」を重ねてみる
なんでもかんでも感じるままに
「想いも思いも重くあれ」と考える
重くて重くて底に届かなくても感じるままに

空の青さにおののいて
そしられもせず ほめられもせず
過ごしている「魂」が
あわれさも忖度できずに考える
夜の寒さにうなだれて
花びらを閉じていた 小さい花々
陽が輝きだすと 立ち上がり
みごとに花を開くように考える

考えて想って つら抜いて君は行く
君を越えて 君を思って 俺は行けるか
地獄をめぐれば 次は煉獄 その先は天国の囲い

呵責苦悶 憂いの中の悩みへと
君がそっと 泣いている
号泣を堪え 口を押えて溜息とする
鳴呼 ふたりぼっちは ひとりぼっち
君は俺 俺は君 囲いをまとい 自問自答

問いかけて届くのは 毎日の21時
痛々しい嘆きもおもんぱかって
あたらしい呵責 あたらしい憂いと伴に
そろそろ土竜(もぐら)になる時刻
君が俺に 俺は君へ 声を出さずに口ずさむ
そっとララバイ おやすみララバイ(子守唄)

作品ジャンル

展示年

2025

応募部門

自由作品部門

作品説明

本作品は刑務所アート展への出品を決めた時より4部作として構想しています。
昨年の第1部は「囲いのバラッド」でした。
私は現在受刑中です。私に限らず受刑経験のある方ならば詩から「共感」をしていただける様な語句で綴ろうと想いながら仕上げています。

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