荒地 – 音道愛斗

作品タイトル

荒地

作者

音道愛斗

作品本文

己の心に無数に刻まれた切り傷は
決して癒えることの無い悲しい叫び
浮かんでは沈んでいく太陽と月の様に
幾度も繰り返しては脈打ち続ける身体

何故こんなにも儚く写る水面の鏡
ただ生きたくて…生きたくて…生きたくて
走ってきただけなのに こぼれ落ちる涙
ユラリと揺れる水面

言ノ葉をつむぎ合わせて見えてくる世界
しかしすぐにさまよう 深い霧の中で
呼び続けている 愛しき人達の名を
振り向くは思い出の中の影よ

終わりがあれば始まりあるのは世の流れ
ただ生きたくて…生きたくて…生きたくて…
笑っていたいだけなのに 痛み続ける心
時過ぎるのを待つ

朗読音声

朗読:森宣雄(西成)

作品ジャンル

展示年

2024

応募部門

課題作品部門「私の大切な時間」

作品説明

世の中に絶望して、傷を負い、道に迷い、それでも生きて行く希望を探し求める人生は、人それぞれの道がありますが、自分の場合は、まさに荒地を歩んできたので、こういう詩にしました。あえて、幸福感を出さずにリアル感を出しました。

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