QOL(クオリティーオブライフ)受刑アンケート – カリン様



作品タイトル

QOL(クオリティーオブライフ)受刑アンケート

作者

カリン様

作品本文

次の設問に、○か×かで答えてください。○が多ければ多いほど、あなたの受刑生活は充実し、意義あるものとなっているはずです。
一、気をつけ、前にならえ、休め待機の時等、指先は真っすぐ伸びているか?もしくは、反るぐらい力が入っている。□
二、行進動作をしなくても良いのに、全力で行進動作をしている。□
三、休め待機の時、微動だにせず完全に目を閉じて待機している。当然、指先はしっかりと伸び体側にピタリとついている。□
四、「声は意識の表れ、履き物の乱れは心の乱れ」という精神で生活している。だから声は大きく、ハッキリしているし、履き物のかかとは必ず揃っている。又、自身のものだけでなく他者のものまで気が付いて揃える心の余裕がある。□
五、職員の注意・指導を素直に聞けている。□
(2)過ちに気付いた時は、同囚、職員にかかわらず誰に対しても、「すいませんでした。」と謝ることができる。□
(3)何かをしてもらった時は、同囚、職員にかかわらず誰に対しても、「ありがとうございました。」と感謝の意を伝えられる。□
(4)職員や誰かに何かを頼む時は、自然に「お願いします。」と言えて、頭を下げる。□
六、礼儀作法に気を配り、あいさつを実践している。□
(2)他者から「ありがとう」と言われることが多い。□
(3)「ご苦労様です」と、常に他社を労う気持ちを持っており、それを言葉にして伝えている。□
七、作業に意欲的に取り組み、生産性を上げる努力をし、技術の向上に努めている。□
(2)計算工・衛星係・班長等の役職に就いて帽子の色が違う。腕になにかしらの腕章を付けている。□
(3)職業訓練生に選ばれ、参加している。□
(4)薬物離脱等の改善指導、個人教誨やクラブ活動等に積極的に参加し、真剣に取り組んでいる。□
八、施設への不満は、「苦情の申し出」という手段を選ばず「視察委員会」を通して、改善を訴え適切に処理している。□
(2)工場担当職員に、どんなことでも相談できる関係性を築けている。□
九、神仏に目覚め信仰を持つに至っている。祈りを実践し、生かされていることに感謝している。□
(2)ヨガや瞑想・座禅を実践している。□
皆さん、いくつ○があったでしょうか?○が多いほど、質の高い受刑生活が送れていると言えるでしょう。しかし、今から問う設問に×がつけば、いくら○があったとしても、それはゼロに等しいと言えます。
十、償いとは何か?と考え、贖罪意識が芽生えており、被害者の方々に心底申し訳ないと思っている。□ ○か×か?

作品ジャンル

展示年

2024

応募部門

課題作品部門

作品説明

刑務所の全国文芸作品コンクール2023年度の金賞受賞作品です。つねにこういうことを考えて受刑生活を送っています。しかし、長年務めて思うことは、刑務所の中で模範囚だからといって、イコール更生とはならないということです。制度に対して適応できることが評価されているからです。しかし、本当に大切なことは、心の中、見えないところにあるのではないでしょうか。

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