作品タイトル
手紙
作者
音世愛斗
作品本文
「手紙」
届いた手紙には見慣れた文字が並び
聞こえるはずのない声が 鼓膜に語りかけてくる
そこにあるのは じれったい程の感情で
ペンを持つ手と心が震え 文(ふみ)が進まない
自分の字で手紙を送ることが
こんなにも重く責任があるのだと気付いたのはいつだったろうか
改めて一通一通に感謝の念を込める
※時代遅れだとか 手が疲れるとか 今はネットで出来るとか
確かにそうかも知れないけれど
それじゃ伝わらないこともある
綴(つづ)られた一語一句の文章が何よりの気持ち
一通の手紙に一喜一憂 または落ち込み
それでも手紙をくれたことに感謝して返事を書く
時には嬉し涙や悲し涙で
瞼(まぶた)を腫(は)らし枕(まくら)を濡(ぬ)らすこともたくさんあった
消印の日付けを確認してみたり
記念切手が貼られていると嬉しくてニヤケてみたり
さあ 返事を書いてポストに入れよう
前略手紙ありがとう お元気ですか?こっちも相も変わらず過ごしてます。
先日の手紙に書かれていた、
あの言葉とても感激しました。
そして改めて思いました。あなたは僕の大事な人。
※
la la la...
作品ジャンル
詩
展示年
2023
応募部門
課題作品部門
作品説明
マザーハウスMLPの交通して頂いてる方や、身元引受人、裁判でお世話になった方などからの手紙は本当に心が温まります。刑務所は手紙か面会でしかやり取りができませんし、身内がいない僕にとって、色々な方からの手紙は、はげみになります。今の世の中、SNSでのつながりが多いですが、 手書きの文にはデジタルには出ない、その人自身が映し出されてる感じがします。なので、手紙を書く時間は、僕にとってとても大切な時間です。