作品タイトル
哀しき青春
作者
成程もっとも
作品本文
巨塀を隔てて見る北の街に
遠くネオンが耀いている
心の血が騒ぎ たぎり
忘れかけていた あの夢が
走馬灯のように甦り
野望と無頼の青い時代に生きた
過去が哀しくも甦る
孤独から逃がれ
この世に恐いものはないさと
うそぶいて歩いてきた青春
人の言葉も聞かずに
わがままを通してきた
その結果——
何もかも崩れ去り
残ったものは
深い哀しみという 人生の汚点
今さら——
悔やんでも仕方ないというが
青春というものを
もっと大事にしたかった
喜びも哀しみも 人生は一度
汚れた過去を変えることはできない
人生を変えることはできるんだよ
そうかもしれない
今の俺には
懺悔の値打ちなどないが
生まれ変われるものならば
もう一度 青春というものを
人生というものを大事にし
自分に強く打ち勝って
歩んで行きたい 人の道を
みんなが通る 希望という道を
作品ジャンル
詩
展示年
2023
応募部門
課題作品部門
作品説明
暖房のなき人生をのろい、人生のはかなさを嘆くとき、ふと、無頼に生きた青春時代が街の灯りで鮮烈に甦った。
後悔の念に苛まれながらももう一度生まれ変りたいという気持からの発想で書き上げた、失った私の大切な時間です。