奈良監獄ミュージアムC棟7号室「刑務所アート」展示作品

このページでは、2026年4月27日開館の「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」内の展示エリア「C棟」7号室にPrison Arts Connections(PAC)が出展している「刑務所アート」の作品情報を紹介しています。

展示室には、刑務所の中にいる人たちが自主的に制作した絵画、書、文芸作品を展示しています。作品名は、作者自身がつけています。これらの作品はすべて、2023年から開催されている「刑務所アート展」(主催は、PrisonArts ConnectionsPAC)に応募されたものです。刑務所で絵を描くことを許されるのは、限られた人たちです。刑務所によっては、絵画クラブのような活動の場もありますが、参加できる人はごく限られています。また、使用できる画材や道具、その使い方にも制限があります。創作環境や条件は刑務所ごとにル ールが定められているため、同じではありません。だれもが使える文具は、黒・青・赤の3色のボールペンと、ノートや便箋などの用紙です。そのため、ボールペンだけで描いた作品も多く見られます。また、鉛筆が許可されずシャープペンで鉛筆画のように描いた作品や、水彩絵の具で油彩のように表現する技法を探究した作品など、さまざまな工夫が見られます。

以下、展示作品ごとに、作品タイトル、作家名、作品のデジタル画像、作品のジャンルと応募年、応募作家本人による作品説明を掲載します。

This page presents information about the “Prison Arts” works exhibited by Prison Arts Connections (PAC) in Room 7 of Building C, a dedicated exhibition area within Nara Prison Museum by Hoshino Resorts, which opened on April 27, 2026.

This room features paintings, calligraphy, and literary works created voluntarily by people living in prison. Each piece has been titled by its creator. All of the works on display were submitted to the Prison Art Exhibition, held since 2023 and organized by Prison Arts Connections (PAC). Only a limited number of individuals are permitted to engage in drawing or painting in prison. Some facilities offer activities similar to art clubs, but participation is highly restricted. There are also limitations on the materials and tools that may be used, as well as how they can be used. Because each prison sets its own rules, the creative environment varies from one facility to another. The materials available to everyone are limited to black, blue, and red ballpoint pens, along with paper such as notebooks and letter sheets.

As a result, many works are created using only ballpoint pens. Other works show creative adaptations, such as drawings made with mechanical pencils to resemble pencil sketches, or techniques that use watercolor paints to achieve effects similar to oil painting.

For each work on display, the following information is provided: title, artist name, a digital image of the work, genre and year of submission, and the artist’s own description.

「METALLICA」 I44DRA
“METALLICA” I44DRA

モノクロで表現されている。正面を鋭い目で見つめる男性の顔が大きくある。眉間に深いしわ、無精ひげが生えている。顎の下に使いかけの絵の具が並んでいる。左に絵の具の付いた筆がある。顎から筆先にむかって線が続いている。

作品タイトル

METALLICA

作者

I44DRA

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

お仕事下さい。
販売もしております。
インスタグラムは、@i44dra

Please commission my work.
I also sell.
Instagram: @i44dra

「点描/花点猫」 いがらし きり
“Pointillism/Flower”  Igarashikiri

詩が書いてある。赤色と青色を薄くした色味で表現されている。滲んだ二色が全体に広がる。所々、色が混ざって紫色である。ビー玉を覗いているよう。ボールペンだろうか、文字の上を滑るような黒い線が交差している。人のような黒い線が地図記号のようにあちこちにある。

作品タイトル

点描/花点猫

作者

いがらし きり

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

応募部門

自由作品部門

作品説明

筆汚れを吸ったちり紙を落としたら原画のしっぽ以外の猫のような跡が、紙をとりのぞくと出てきました。
丁度、筆を使わずに何かやろうと考えていて、書き損じた為丸めた便箋の外側に絵の具を丸々からめて転がしたりしていた別作品(原画の裏もその習作なのですが)などと合わせて考えて、ぶっつけで転がしたら、緑の葉や枝垂れ桜のようなものができたので、どんどん転がしてたら出来た作品です。深く考えず、色んな余った色を洗い流す前に使ったので、少しくどい仕上がりになったので残念ですが、面白かったので。

When I dropped the paper that absorbed the brush ink stains, marks that looked like a cat, except for the original tail, were left behind after I removed it.

I had been thinking about trying something without using a brush. I had another work where I had rolled a crumpled sheet of stationery covered in paint (the back of the original picture is one of those trial attempts). Putting these ideas together, I tried rolling directly, making shapes like green leaves and drooping cherry blossoms. I kept rolling, and the result is this work. I didn’t think too deeply, just used various leftover colors before flushing them away. The result turned out to be a bit heavy, which is unfortunate, but I had fun.

「想い出の渚」ル・シャルダン
“Memories of the Shore”  Le Chardin

右下から大きなヤシの木が伸び、画面上方にはみ出すほど葉を広げています。その奥に砂浜があり、青い海が広がっています。海の向こう岸は緑が多く、ホテルのような白い建物があります。砂浜にはビーチベッドに寝そべる人々が、海には黄色や赤のサーフボードで遊ぶ人々が描かれています。

作品タイトル

想い出の渚

作者

ル・シャルダン

作品ジャンル

絵画

展示年

2024

作品説明

爽やかに服抜ける風、やさしく打ち寄せる波。グアムは旅する人に心とカラダをリラックスさせてくれる。静かに寄せる渚の気持ちよさ。ヤシの木の緑の葉がゆれ、光と影と空と海を描きました。

A refreshing wind slips through clothing. Gentle waves come ashore. Guam relaxes the hearts and bodies of travelers. The quiet comfort of the beach as the waves softly reach it. I depicted the green leaves of palm trees swaying, light and shadow, sky and sea.

「光を求めて。」土佐ジロー
“Seeking the Light” Tosa-Jiro

縦置きの画面の中央に、8つの角をもつ星が大きく描かれています。それぞれの角はひし形で構成されていて、時計の12時・3時・6時・9時の位置にある4つは青いダイヤを並べた模様が、そのほかの4つには赤い模様が描かれています。星の周りにはさまざまな緑色で舞うように線が描かれていて、上下に2つずつ赤い風車があります。外側には額縁のように茶色と赤の縞模様が描かれています。

作品タイトル

光を求めて。

作者

土佐ジロー

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

長い、長い、刑務所生活をする中で、少しでも希望が持てるように 製作しました。

I created it so that I could hold on to even a little hope during my long, long life in prison.

「輝く古代魚」光りん
“Radiant Coelacanth” Pikarin

横置きの画面に、淡いオレンジ色でシーラカンスが左向きに描かれています。口を大きく開き、とがった何本もの歯が見えます。尾びれや背びれ、腹びれは白く、水の流れに沿って動いているのがわかります。シーラカンスの背景は、エメラルドグリーンの石のタイル、もしくはガラスをたくさん使ったステンドグラスのようです。

作品タイトル

輝く古代魚

作者

光りん

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

シーラカンスは肉がマズくて利用価値が低いために、現地では「ゴンベッサ(大きな役立たず)」と呼ばれています。
しかし、社会の役に立たなくても、この光の届かない深い海の底で、大古からの生命を受け継ぎ、ただ生きているだけでも尊いものだと思います。生き物の逞しさ、生命の力強さ、輝きを表現しました。

The coelacanth’s flesh tastes bad and has little practical use, so locally it is called Gombessa (“big good‑for‑nothing”). However, even if it is of no use to society, I think it is precious simply for surviving, inheriting life from ancient times at the bottom of the deep sea where light does not reach. I expressed the toughness of living creatures, the strength of life, and its brilliance.

「シロチドリ」浦島太郎
“Kentish plover”  Urashimataro

浜辺にシロチドリが大きく横向きに描かれている。頭(ひたい)と背から尾までの羽は茶色の鉛筆をくるくる回すように描かれている。他は黒い鉛筆の濃淡で描かれている。シロチドリと同じ色で描かれた背景の浜辺と空に包まれているようである。

作品タイトル

シロチドリ

作者

浦島太郎

作品ジャンル

絵画

展示年

2023

応募部門

自由作品部門

作品説明

自然は私たちに多くのものを与えてくれます。「花鳥風月」という言葉に表されるような四季おりおりの自然や風物を眺め、人と共存する知恵を小鳥たちは身につけています。
三重県の鳥に指定されている、「シロチドリ」は、神様が発見した尊重な鳥で、人の心をすごく和み、そして癒してくれる不思議な鳥に耳を傾ける姿を見出す事が出来れば幸いです。

Nature gives us many things. As expressed in the words “flowers, birds, wind, and moon,” the little birds have learned the wisdom of coexisting with people while gazing at the seasonal scenery and natural sights.
The Kentish plover, designated as the bird of Mie Prefecture, is a bird worthy of esteem that was discovered by the gods. I hope you will enjoy this image of people listening to this mysterious bird that greatly soothes and heals the heart.

「神経衰弱」おたふく
“Nervous exhaustion” Otafuku

青いペン1色で描かれた作品です。横長の画面には、真っ青な背景に1匹の白いイカが全面に描かれています。右上から中央にかけて描かれている甲の部分は、まる・三角・四角などの細かな図形で埋め尽くされています。甲の下にくちばしと目玉があり、左下にかけて足が伸びています。

作品タイトル

神経衰弱

作者

おたふく△

作品ジャンル

絵画

展示年

2024

作品説明

古代のイカの殻部分には信じられないくらいの時間を費やしました。正に私の『日常』をぶち込んで、込み過ぎて神経衰弱気味です。完成した時の達成感と解放感たるや筆舌に尽くし難し!

I spent an unbelievable amount of time on the shell of the ancient squid. I poured my entire everyday life into it, and poured in so much that I’m feeling a bit mentally exhausted. The sense of accomplishment and release when it was finished is beyond words!

「毎日楽しい公務員」不採択
“The Joyful Guards” Rejected

1左半分 公務員(看守)がいる。制帽の帽章は漢字で糞。血走った大きな瞳、口角を上げた口の中はヤニ色の歯。顔の周辺に虫が三匹いる。カタカナでブーン。ひらがなでせわな!とある。半袖の制服の胸元には日の丸のワッペンと15砂糖とある。公務員の腰から下は炎で見えない。背景に英語でfreeze you!walk!と黒い文字がある。文字周辺に血のような色が三か所ある。2右半分(上) 公務員(看守)が三人正面を向いてVの字で並んでいる上半身の姿がある。公務員の表情はまるでのっぺらぼうで、顔には左の看守から順番に漢字で上、神、偉とある。制帽の帽章は日の丸。背景に英語でwhy?waik?と黒い文字がある。打ち上げ花火のような赤ひょろひょろとしたものが三人の制帽から出ている。3右半分(下) 2の看守を想像する受刑者の上半身の姿がある。四角いメガネの奥に福笑いのような目、大きく開け口の左頬には傷があり髭と髪の毛が薄っすらある。囚人服の右肩に日本語で許してほしいたい!左肩にも日本語で全部話すたい!とある。受刑者の背景左右に英語でapologizeとある。文字周辺に血のような色が三か所ある。

作品タイトル

毎日楽しい公務員

作者

不採択

作品ジャンル

マンガ

展示年

2024

作品説明

公務員の仕事、本当楽しいんだろうなと思いながら書きました。

I wrote it while thinking that the work of a public servant must really be enjoyable.

「横浜刑務所の中のようす」謎の画家D
“Yokohama Prison: An Illusion” Painter D, The Unknown

白色のガーゼが敷かれた木の机がある。机には湯飲み、やかん、観葉植物の枝ものが二つある。一つは水の入ったガラス瓶にさしてあり、もう一つはそのままねかせてある。机の下の棚からカギがはみ出している。机の右上にストライプの服がある。背景は灰色である。

作品タイトル

横浜刑務所の中のようす(4枚1組)

作者

D 謎の画家ディー

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

自分の頭の中の妄想と現実を重ねてみました。
本当は、窓の外に桜なんかないし、机の中にカギもないし、看守は最も尊敬する画家ロックウェルになっています。

I tried overlapping the fantasies in my head with reality.
In truth, there are no cherry blossoms outside the window, there is no key in the desk, and the guard has become Rockwell, the painter I respect most

「100y. Good Behavior 伝説の百年無事故」謎の画家D
“100 Years of Good Behavior: A Legend” Painter D, The Unknown

緑色の服を着た男性が左膝を木の椅子にのせている。木の机の上にある書物の上でペンにインクを補充する姿がある。男性は左上を向いていている。上にいる天使と見つめあっている。背景は黒色。作者は、画家ガラヴァッジョの作品「聖マタイ」を参考にしている。

作品タイトル

100y. Good Behavior 伝説の百年無事故

作者

D 謎の画家ディー

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

伝説の地下工場にいる伝説の受刑者が、伝説の百年無事故を授かる場面。

実は、彼はとっくに死んでいます(職員からの虐待を受けて)が、天使からそのことについても知らされて、やっと昇天することができるのです。

苦痛の総量と、更生、反省の深さを混同しているおかしさを表現しました。
元の絵は、カラヴァッジョの「聖マタイと天使(Vor2)」です。服、毛布、花びん等、刑務所のものに変えました。

The legendary prisoner in the legendary underground factory is receiving the legendary blessing of a hundred accident‑free years.
In fact, he has long since died (from abuse by staff), but the angel tells him of this, and he is finally able to rise to heaven.
I expressed the absurdity of confusing the total amount of suffering with the depth of rehabilitation and reflection.
The original painting is Caravaggio’s The Inspiration of Saint Matthew (Version 2). I changed the clothes, blanket, vase, and so on to prison items.

 

「抱く」M・T
“Embrace” M.T.

青い色鉛筆1色で、縦置きの白い紙に描かれた作品です。身体を小さくかがめた裸の女性が、左側面から画面いっぱいに描かれています。女性の左目には一粒の涙がにじんでいます。女性の胸と太ももの間に描かれているもう1人の人は、正座してうずくまるように頭を膝につけています。女性の背中側に空いた空間には大きな目が描かれていて、閉じた瞳からは涙が流れています。

作品タイトル

抱く

作者

M・T

作品ジャンル

絵画

展示年

2025

作品説明

独りっきりの時間、独りっきりの空間を持て余すとき、独りでつくり出した感情に苛まれるとき、
気がつくと膝を抱いて 胸に抱えている。
誰しも独りぽっちなんだったと思いあたる。

When I’m alone, when I have more time alone than I know what to do with, when I’m tormented by emotions I’ve created by myself, I realize I’m sitting with my knees drawn up against my chest.

I realize that everyone is alone.

「ゴルゴタ」Jacob 0136
“Golgotha” Jacob 0136

作品名「ゴルゴタ」 赤色と黒色の渦万字模様の背景。中央に大きくてごつごつした顔がある。砕けた頭蓋骨を張り合わせたように白色と赤色と黒色で表現され立体的な顔である。向かって左の瞳は黒くて右は白と黒。頭にある物は、作品名「ゴルゴタ」からキリストが十字架にかけられたときにかぶらされたという荊の冠かもしれません。

作品タイトル

個展の開催を実現させたい

作者

Jacob 0136

作品ジャンル

絵画、お願い

展示年

2025

作品説明

昔から絵を描くのが好きでした。服役中の現在、絵を通して社会とつながれないかと考えていた所、このコラボ展のことを知り、応募してみようと思いました

もし個展が実現するとしたら、生きづらさを抱えている人にこそ作品を見てもらいたいです。私も何で自分が生きているのか分からないから、今、共に生きるこの生に一緒に意味を与えていこうと語りかけたいです。

「南米の美魔女」太陽の国光怒
“The South American Witch” Taiyo-no-kunihikarudo

横長の画面に女性の肖像が描かれています。女性の顔は少しだけ左に向いていて、目は真っすぐに前を見つめています。つばの広い帽子をかぶり、肩より長い髪が風になびいています。耳には輪っか型のイヤリングを、胸元には十字架のペンダントをつけています。女性を囲むように、バラの花が四輪描かれています。

作品タイトル

南米の美魔女

作者

太陽の国光怒

作品ジャンル

絵画

展示年

2024

応募部門

自由作品部門

作品説明

15年前から友達が私に絵の書き方を教えてもらいました。それからず〜と鉛筆のみで絵を書いてきましたが、皆さん知っている通り最近鉛筆等を使えなくなりとても悲しいです。この絵はHBと2Bのシャープペンシルで書きました。6Bが無いため濃くすることができず苦労しました。

Fifteen years ago, a friend taught me how to draw. Since then, I drew using only pencils, but as everyone knows, recently I’ve become unable to use pencils, which makes me very sad. I drew this picture with HB and 2B mechanical pencils. Because I didn’t have a 6B, I couldn’t make the dark areas as deep as I wanted, so it was difficult.

「無から生まれた言葉」北の月人ぴえろ
“Voices from the Void” Pierrot of the Northern Moon

作品タイトル

無から生まれた言葉

作者

北の月人ぴえろ

作品本文

理ある人生に於いて
空に心の穴と空に人生の穴に足りない物を埋める事
今はただひたすらに埋める
今の自分に出来る事。

自分を信じてみろ
自分を好きに成ってみろ
自分を大切にしろ
そうすれば人を信じ
人を好きに成り
人を大切に出きるのだから。

心は元気ですか心にいつでも優しさを

淋しさを知っている人は
笑って生きて行く楽しさを知っている。

雨垂れ石をも穿つ。

人生は何時も感謝と思い返えし。
我憚り乍ら。

我孤独に泣き
我人生の過やまちに
深く恥いり我見つめ直す
そして我人生を歩み出す
焦せらず慌てず
一歩ずつしして又一歩ずつ。

作品ジャンル

展示年

2025

作品説明

無に成って己が思った言葉と近況に思いついた事など

Emptying myself and writing down the words that come to mind and the things I’ve noticed lately

「今、私に必要な事」好.com
“Patience: What I Need Now” Yoshi.com

作品タイトル

今、私に必要な事

作者

好.com

作品ジャンル

展示年

2025

作品説明

刑ム所内で書道を始めて8ヶ月経つのですが、その成果を見て頂きたいのと、今、私自身に必要な事を書いてみました。
何事にも我慢が出来る人間になり、今後は人様に御迷惑掛ける事なく人生を歩みたいという思いを込めました。

Eight months have passed since I began practicing calligraphy in prison, and I wanted you to see the results. I also wrote what I need right now and put into it my wish to become someone who can endure anything and live from now on without causing trouble to others.

「マケテタマルカ」雅凰
“Never Give Up” Gaoh

書道作品「マケテタマルカ」

作品タイトル

マケテタマルカ

作者

雅凰

作品ジャンル

展示年

2024

作品説明

〔訳文〕行く路は難しくとも焉(何するもの)、泰山への霤(あまだれ)とて石をも穿つと我は信じている。

Even if the road ahead is difficult, I believe that even drops of rain falling on Mount Tai can bore through stone.

「鐘一つ」蟹牡丹
“One Toll” Kanibotan

俳句「また一つ 罪を減らすか 除夜の鐘」

作品タイトル

鐘一つ

作者

蟹牡丹

作品本文

また一つ 罪を減らすか 除夜の鐘

the temple bell —
108 strikes
one less sin, one less year

作品ジャンル

俳句

展示年

2024

作品説明

新年を迎えると刑期が減り、自分自身の受刑生活を振り返り、除夜の鐘と自問自答が重なり反省とうれしさがまざり、その中で108の鐘に問いかけているところ。

My sentence becomes shorter with each new year, and I look back over on my life in prison. The sound of the New Year’s eve temple bell overlaps with my own self‑questioning, mixing reflection with happiness. In that moment, I direct my thoughts toward the 108 peals of the bell.

「ブラジルは冬暖かき我が祖国」太陽の国光怒
Taiyo-no-kunihikarudo

作品タイトル

ブラジルは冬暖かき我が祖国

作者

太陽の国光怒

作品本文

ブラジルは 冬暖かき 我が祖国

cold winter here
warm in Brazil —
my home far away

作品ジャンル

俳句

展示年

2024

作品説明

日本、刑務所は毎年寒くてとても辛いです。その時に故郷がとても暖かい恋しく思い出させます。

Japanese prisons are cold every year, it is very tough. At those times, I miss my warm hometown very much.

「獄中五七五」ミサキ

“Gokuchū 575″ Misaki

年寄りは 冬の入浴 命懸け 目覚めると 部屋にコオロギ 秋しらせ 夏来れば 体臭ポリス パトロール春前に オヤジそわつく 異動かな コロナより 防ぎたいのは 水虫よコロナでた? 陰性でると そっけなく 刑務官 20代とて オヤジ也 金線を 見かける度に 背筋伸び いちゃもんが 多い官ほど 眉細し 朝ご飯 米ときな粉で どう食べる 味噌汁は 吸うな啜るな 流し込め 終戦と 牛肉メニュー 願う日々 詐欺で来た うけ・かけ・だし子 どの係? 見て分かる 靴下焼けで 受刑歴 こんにちは はじめましての 満期いつ?

作品タイトル

獄中五七五

作者

ミサキ

作品本文

※奈良監獄ミュージアムでは以下の4首を展示

詐欺で来た うけ・かけ・だし子 どの係?

in for fraud?
caller, mule,
cash-out guy?

終戦と 牛肉メニュー 願う日々

end of wars,
beef for dinner —
my daily hopes

春前に オヤジそわつく 異動かな

spring stirs —
old guards itching
for new assignments

夏来れば 体臭ポリス パトロール

summer heat rises
the body-odor police
start their rounds

 

作品ジャンル

川柳

展示年

2024

作品説明

初めて刑務所で感じたこと、気付いたことを川柳にしてみました。

I tried turning the things I first felt and noticed in prison into ironical haiku poems

「おい看守 粗暴言辞は お前だろ」阿北斎
Ahokusai

おい看守 粗暴言辞は お前だろ

作品タイトル

おい看守 粗暴言辞は お前だろ

作者

阿北斎

作品本文

おい看守 粗暴言辞は お前だろ

“watch your mouth!”
the guard yells at me —
look in the mirror!

作品ジャンル

川柳

展示年

2024

作品説明

看守らが不適切な粗暴な言動、発言をしてもおとがめなしだが、受刑者が「廃棄するからおいてる」と言っただけで、粗暴言辞で15日間懲罰になったことに対し、同囚へ暴言、不適切発言をきいて作成した。「廃棄お願いしますだろ」「こっちに言うな」「嫌だったらくうな」「出て行け」など国家公務員の信用を失墜させている看守(夜勤者)がいることを皆にも知ってほしい。職権を濫用し神になったつもでいる勘違いしている者もいる。不適切問題になっている今だからこそあえて応募した。

I wrote this after hearing the guards’ inappropriate and violent words and remarks toward fellow inmates. They themselves face no consequences even when they behave roughly, yet an inmate was punished with 15 days of disciplinary action just for saying “I’m leaving it here because it will be thrown away.” I want everyone to know that there are guards (night‑shift staff) who say things like “Say ‘please dispose of it,’” “Don’t say that to me,” “If you don’t like it, don’t eat,” “Get out,” and undermine the trust placed in national public servants. Some even misunderstand their authority and behave as if they were gods. Precisely because inappropriate conduct is now being questioned, I dared to submit this.

「スナック協奏曲」トレモロ
“Snack Concerto” Toremoro,

「厳(おごそ)かに 皆(みな)と響(ひび)かす ポテチ音(おん)」

作品タイトル

スナック協奏曲

作者

トレモロ

作品本文

厳(おごそ)かに 皆(みな)と響(ひび)かす ポテチ音(おん)

in solemn silence —
only the sound
of munching chips

作品ジャンル

川柳

展示年

2023

作品説明

私のいる府中刑務所での工場集会の一場面です。交談が禁止されている場ではありますが、月に一度、おいしいお菓子を味わう喜びを分かち合えることは、私にとって大切な時間です。
厳粛な雰囲気の中、大人たちが真面目な表情でスナック菓子を一心に食べているという情景に ユーモアを感じて欲しいです。

I have depicted a scene from a factory assembly at Fuchu Prison, where I am held. Although conversation is prohibited there, the time once a month when we can share the joy of tasting delicious sweets is precious to me.

I want people to experience the humor of adults earnestly eating snack foods with serious expressions in a solemn atmosphere.

「サントス港 桟橋あたりに 汐香り 積荷は日本向けの珈琲」太陽の国光怒
Taiyo-no-kunihikarudo

サントス港 桟橋あたりに 汐香り 積荷は日本向けの珈琲

作品タイトル

サントス港 桟橋あたりに 汐香り 積荷は日本向けの珈琲

作者

太陽の国光怒

作品本文

サントス港 桟橋あたりに 汐香り 積荷は日本向けの珈琲

once at Port of Santos
salt breeze on the pier
containers of coffee beans
bound for Japan —
here I am

作品ジャンル

短歌

展示年

2025

作品説明

サントスはブラジルらしい桟橋があって世界中にコーヒーを輸出する港。

Santos has a pier that is typical of Brazil. It is a port that exports coffee to countries all over the world.

「今週の 良いも悪いも ごちゃ混ぜに 潰しています カレーの匙で」絆闘守バトス4088
Kizunatoushu Batos 4088

今週の良いも悪いも ごちゃ混ぜに 潰しています カレーの匙で

作品タイトル

今週の 良いも悪いも ごちゃ混ぜに 潰しています カレーの匙で

作者

絆闘守バトス4088

作品本文

今週の 良いも悪いも ごちゃ混ぜに 潰しています カレーの匙で

good and bad,
all crushed with my spoon
into the sauce —
Friday’s curry rice

作品ジャンル

短歌

展示年

2025

作品説明

金曜日にはカレーが出ます。だからフッとひと息の時、1週間の反省をして良い事もあった、悪い事もあった。その全てを混ぜて来週は今週より良くしようという事で作品を作りました。

On Fridays, curry is served. So in those brief moments of rest, I reflect on the week. There were good things and bad things. I mixed all of that together and created this piece with the intention of making next week better than this one.

「自由」ジョディオ
Jodio

作品タイトル

自由

作者

ジョディオ

作品本文

堀の内 逃げ場なくなく 仰ぐ空 残月かくし 旅客機ゆくわ

inside these walls
nowhere to run
a jet plane glides
hiding the morning moon
crossing the open sky

作品ジャンル

短歌

展示年

2024

作品説明

どんな状況下にあっても逃げ場所のない刑務所の中で、運動時間に空に意識を逃して、心をリセットする真似事をするも、どうにもなんともならない。その中で昼の月は大きく佇んでいるだけで、そこに音もなく行く先も知れない飛行機が、せっかく見ていた月を隠してしまったことに、くやしく切なくなった思い。うらやむ思いを短歌にしました。

No matter the circumstances, in prison, where there is nowhere to escape, I let my awareness drift into the sky during exercise time and try, in a way, to reset my heart, but nothing really changes. In that situation, the daytime moon simply stands large in the sky, and when a plane with no sound and no known destination passed by and hid the moon, I felt frustration and sadness. I expressed that feeling of envy in a tanka.

「特別な年末」蒼い弾丸
Aoi-Dangan

ガンガンガンと とびらを蹴る音 除夜の鐘代わりになりける昼夜独居

作品タイトル

特別な年末

作者

蒼い弾丸

作品本文

ガンガンガンと とびらを蹴る音 除夜の鐘代わりになりける昼夜独居

someone kicks the iron door
time after time
I count the blows
instead of New Year’s tolls
in this timeless cell

作品ジャンル

短歌

展示年

2024

作品説明

あらぬ疑惑をかけられて年末に調査になり、昼夜独居で過ごすことになりラジオで紅白を聴き終えた所に始まったちょっと異常な行動を短歌にしてみました。

I was falsely suspected of something and investigated at the end of the year. It led to me spending my days and nights alone in solitary confinement. After finishing listening to the New Year’s eve songfest program on the radio, a slightly abnormal behavior began, and I turned that experience into a tanka.

 

「押して OSITE!」 カリン様
“OSITE!” Karin-sama

作品タイトル

「押して」OSITE!

作者

カリン様

作品本文

押して~、あいよ~、ガチャンガチャン、ガチャンガチャン
押してや~押してや~、ガチャンガチャン
その掛け声に励まされ押す手に力が入る
”ジャッキ一日一万本、京都刑務所七工場”
なんや”ギョウザの王将”のCMみたいやな
せやけど今日もやっぱり一日一万本
押してや~、あいよ~、ガチャンガチャン
ペーパー?ウッド?No No、アイアン!鉄!
アイアンやっぱり重い、しんどい、手首痛い
それでも今日もやっぱり一日一万本
押してや~、俺は毎日その君の掛け声に心押されてる
俺の押してよ~も君の背中を少しでも押せたらいいな
俺、そんなこと想いながら、押してや~、あいよ~って言ってるねんで
今日も変わらず”ジャッキ一日一万本 京都刑務所7工場”
いつか出所へと押し出されるその日まで押して押して押しまくる
俺はカンガルー 前にしか跳ばれへん だから押すしかない!
その日常を通して己と向き合うんやで
しんどいけどやるしかない それが俺らに与えられた仕事やから
その仕事があることに感謝して 今日も俺は
押して~、あいよ~と叫ぶんや! あいよ~!

朗読音声

朗読:児嶋文憲(鎌倉)

作品ジャンル

展示年

2024

作品説明

私は今、京都刑務所の工場で車のジャッキを1日1万本作っています。レーンの流れ作業台で仕事する風景を切り取りました。鉄は重いので体力的には本当にしんどい。しかし、「押して~」という元気な掛け声に勇気づけられて、なんとか毎日を一生懸命仕事できている。そんな想いを詩にしてみたのと、コロナで車の減産と共にジャッキの生産数も減って仕事がない時がありました。だから忙しくても仕事があることに感謝しているのです。

I make ten thousand car jacks a day in the factory at Kyoto Prison. I captured a scene of working at the assembly line. The iron is heavy, so physically it is truly exhausting. But encouraged by the lively call of “Push it!” I manage to work hard every day. I turned those feelings into a poem, and also wrote about how, during the coronavirus pandemic, when car production decreased, the number of jacks we made also fell and there were times with no work. That is why, even when it is busy, I am grateful simply to have work.

「つながり」 いがらしきり
“Tsunagari” Igarashikiri

詩が書いてある。赤色と青色を薄くした色味で表現されている。滲んだ二色が全体に広がる。所々、色が混ざって紫色である。ビー玉を覗いているよう。ボールペンだろうか、文字の上を滑るような黒い線が交差している。人のような黒い線が地図記号のようにあちこちにある。

作品タイトル

つながり

作者

いがらし きり

作品本文

鈍色の戦争は右手に
スラムに咲く花は風にゆられて微笑んで
路地をふきぬける風は新しい種をはこぶ
虹色の選択は左手に
誰が言い出したのか今となってはわからない
時がたてばバラバラになってゆく枝をのばす
抱えきれないものはすべてしまいたい
捨てきれないものなら背負ったままでいい
気がつけばいつだってひたすら何かを探している
手のひらに収まるほど小さなセカイ
だけどどこまでも拡がる大きなセカイ
よびだした地図のあちこちに
忘れられない情景をマークすること
アルバムにつらなる色あせた世界
ポケットからこぼれおちる記憶のカケラが
もちだした地図にふりつもる
画面のなかのヒーローはわたしたち
写真のなかのヒーローは父と母
それぞれがセカイを救う
たいせつな世界を守る
私たちはつながっているのかも

作品ジャンル

詩、絵画

展示年

2025

作品説明

子どもの頃から特定の夢をみます。一番多いのは客観的に自分が見えるどこまでも真っ白な世界で除々に小さくなっていき最後は点のようになり消えてしまうものですが、その次に多いのが、死ぬか殺されてしまう夢です。その中で色んなパターンがあるものの、何かを探しつづけて逃げていて、紅と青の空気感が入れかわったり、血や水、廃墟といった共通のものがいくつかあることです。けして手に入ったり、死なずにすむことがないのですが、印象にのこるシーンを詩の形にして、見える色味を汚しとしてほどこした作品になります。

Since childhood, I have had some recurring dreams. The one I have most often is of myself viewed objectively in an endlessly white world, gradually becoming smaller until I turn into a dot and disappear. The next most frequent dream is one in which I die or am killed. Though there are various patterns within these dreams, I am always searching for something while fleeing, and there are common elements such as the alternating atmosphere of crimson and blue, blood, water, and ruins. I never obtain what I seek, nor do I escape death, but I took the scenes that left the strongest impression and turned them into poetry, applying the visible colors as stains in the work.

「あなたへ」 黒龍
“To You” Kokuryu

東日本大震災で他界したあなた。 あの時、私は、心配で自宅に帰る途中に津波警報が鳴る中、津波に流されて救助され助けられました。 あれから14年の月日が流れましたが… あなたの子供達は、立派に育ち、私の子供と仲良く生活しています。 あなたが他界してから、精神的に弱くなって薬物に依存して何度も同じ罪で刑務所に出たり入ったりのくり返しです。 今回の受刑生活で、あなたの夢を何回見たのでしょうか? あなたは私に何を伝えたかったのでしょうか? 答えは分かりませんが、一生懸命一日一日を大切にして生きることや自分自身を大切にすること。 今回の受刑生活を最後にして、社会で真面目に仕事をして、人の為に役に立てること目標があります。 あなたが残した会社で子供達と一緒に仕事をすることが夢です。 来年は、いよいよ出所です。 その為にも“人は変わろうと努力すればきっと良い方向に変われる”ことを信じて前向きに行動して、人に優しくできる人にもっともっと変わりたいです。 あなたがいなければ今の自分はありません。 あなたの分まで、一生懸命生きることを誓います。 あなたが他界してから初めて手紙を書きました。 このような場を設けて頂いたこと感謝しています。 ありがとうございます。^^

作品タイトル

あなたへ

作者

黒龍

作品本文

東日本大震災で他界したあなた。
あの時、私は、心配で自宅に帰る途中に津波警報が鳴る中、津波に流されて救助され助けられました。
あれから14年の月日が流れましたが・・・
あなたの子供達は、立派に育ち、私の子供と仲良く生活しています。
あなたが他界してから、精神的に弱くなって薬物に依存して何度も同じ罪で刑務所に出たり入ったりのくり返しです。
今回の受刑生活で、あなたの夢を何回見たのでしょうか?
あなたは私に何を伝えたかったのでしょうか? 答えは分かりませんが、一生懸命一日一日を大切にして生きることや自分自身を大切にすること。
今回の受刑生活を最後にして、社会で真面目に仕事をして、人の為に役に立てること目標があります。
あなたが残した会社で子供達と一緒に仕事をすることが夢です。
来年は、いよいよ出所です。
その為にも"人は変わろうと努力すればきっと良い方向に変われる"ことを信じて前向きに行動して、人に優しくできる人にもっともっと変わりたいです。
あなたがいなければ今の自分はありません。
あなたの分まで、一生懸命生きることを誓います。
あなたが他界してから初めて手紙を書きました。
このような場を設けて頂いたこと感謝しています。
ありがとうございます。^^

作品ジャンル

手紙

展示年

2025

作品説明

作品を見る人に伝えたいことは、感想や返事を楽しみに待っています。

What I want to convey to those who see my work is that I am looking forward to their reactions and replies.

「あなたへの手紙」 愛梨正菜
“To You” Airi-Masana

元気にしていますか 幸せに暮らしていますか 心配ごと等ないですか  あなたとあれだけ逢っていたのに、急に逢えなくなってどれだけ寂しい思いをさせてしまったかを考えると、今も胸が痛くなります。あなたのお母さんと私が分かれて暮らす前日の夜、私があなたにお別れの話しをしたのを覚えていますか。今考えると、あの時私はあなたに、とてもかわいそうな質問をしましたね。 「パパとお母さんと、どちらと一緒に暮らしたい?」 その私のあなたの心を顧みない残酷な問いに、あなたは「パパ」と答えてくれました。私はその時のあなたの事を胸にしまっているから、今も生きていられるのです。

今は、スマホが有れば簡単に情報が得られるから、ひょっとしたら、自分の父が何をして、今何処へ居るのかが分かっているかも知れません。 本当にあなたには申し訳ないことをしました。許して下さい。 あなたの人生の枷としかならない私を許して下さい。  私はあなたに逢えなくなってすぐに塀の中へと入りました。今ではもう26年が経ちました。あと何年居るのかもわかりません。そして、社会に戻ることすらできるかどうか分かりません。ひたすら一日一日、自分の罪を償っています。大罪を犯しながらもこうして贖罪を続けていけるのは、あなたに恥ずかしくないようにと言う気持ちが大きいのです。  ある時、私のあなたを思う気持ちが抑えられなく知人にSNSを検索してもらいました。するとそこにはあなたが居ました。 小学生の頃と比べ大きくなったあなたの姿がありました。私がいつも想像していたとおりに、素敵な人に育ってくれていました。そして、看護師と言う私から見るととても尊い職業に就いていて、そのナース姿はとても輝いていました。あなたの20年振りに見た、成長した姿は眩しくそして

美しく思えました。私の目は涙で溢れて止まりませんでした。今もあなたの写真は、写真立てに飾り毎日見ています。 この中では、当然、辛いことや悔しいこと、悲しいことが沢山あります。それは私の自業自得だけど、たまには落ち込む事も有ります。そんな時、写真の中のあなたは、私に力を与えてくれます。ありがとう。 本当にあなたは私の宝物です。ありがとう。本当にありがとう しかし、あなたとはもう逢えません。私の思っている事も伝える機会もありません。だから今、この「あなたへ」と言う手紙に私の言葉を託したいと思います。  あなたの人生の一番大事な時に一緒に居れなくてごめんなさい。  あなたの人生の枷となってしまってごめんなさい。許して下さい。  だけど、あなたの暮らしている所とは、遠い場所だけど、あなたの幸せと健康を毎日心から祈っています。  こんな中に居てもあなたのことを思わない日はありません。

もう一度言います。あなたの幸せと健康を心から祈っています。 何が一番大切なものかを間違えた私 より

作品タイトル

あなたへの手紙

作者

愛梨正菜

作品本文

元気にしていますか
幸せに暮らしていますか
心配ごと等ないですか

あなたとあれだけ逢っていたのに、急に逢えなくなってどれだけ寂しい思いをさせてしまったかを考えると、今も胸が痛くなります。あなたのお母さんと私が分かれて暮らす前日の夜、私があなたにお別れの話しをしたのを覚えていますか。今考えると、あの時私はあなたに、とてもかわいそうな質問をしましたね。
「パパとお母さんと、どちらと一緒に暮らしたい?」
その私のあなたの心を顧みない残酷な問いに、あなたは「パパ」と答えてくれました。私はその時のあなたの事を胸にしまっているから、今も生きていられるのです。
今は、スマホが有れば簡単に情報が得られるから、ひょっとしたら、自分の父が何をして、今何処へ居るのかが分かっているかも知れません。
本当にあなたには申し訳ないことをしました。許して下さい。
あなたの人生の枷としかならない私を許して下さい。
私はあなたに逢えなくなってすぐに塀の中へと入りました。今ではもう26年が経ちました。あと何年居るのかもわかりません。そして、社会に戻ることすらできるかどうか分かりません。ひたすら一日一日、自分の罪を償っています。大罪を犯しながらもこうして贖罪を続けていけるのは、あなたに恥ずかしくないようにと言う気持ちが大きいのです。
ある時、私のあなたを思う気持ちが抑えられなく知人にSNSを検索してもらいました。するとそこにはあなたが居ました。
小学生の頃と比べ大きくなったあなたの姿がありました。私がいつも想像していたとおりに、素敵な人に育ってくれていました。そして、看護師と言う私から見るととても尊い職業に就いていて、そのナース姿はとても輝いていました。あなたの20年振りに見た、成長した姿は眩しくそして美しく思えました。私の目は涙で溢れて止まりませんでした。今もあなたの写真は、写真立てに飾り毎日見ています。
この中では、当然、辛いことや悔しいこと、悲しいことが沢山あります。それは私の自業自得だけど、たまには落ち込む事も有ります。そんな時、写真の中のあなたは、私に力を与えてくれます。ありがとう。
本当にあなたは私の宝物です。ありがとう。本当にありがとう。
しかし、あなたとはもう逢えません。私の思っている事も伝える機会もありません。だから今、この「あなたへ」と言う手紙に私の言葉を託したいと思います。

あなたの人生の一番大事な時に一緒に居れなくてごめんなさい。
あなたの人生の枷となってしまってごめんなさい。許して下さい。
だけど、あなたの暮らしている所とは、遠い場所だけど、あなたの幸せと健康を毎日心から祈っています。
こんな中に居てもあなたのことを思わない日はありません。
もう一度言います。あなたの幸せと健康を心から祈っています。

何が一番大切なものかを間違えた私 より

作品ジャンル

手紙

展示年

2025

作品説明

絶対に出せない手紙と言うものが私にはありこの手紙は私のその最たるものでもある娘への手紙です。心の中にある娘への思いを今回は書かせて頂きました。私は祈りは必ず通じると思うので、きっと娘は幸せだと思って毎日の務めに励みたいと思います。

There are letters that I absolutely cannot send, and this is the foremost, a letter to my daughter. I have written of the feelings I hold in my heart for her. I believe that prayers are always answered, so I want to devote myself to my daily duties believing that my daughter is surely happy.

「あなたへ」 蝉
“To You” Semi

あなたは現在76才・小学2年生から強度の弱視で盲学校でお世話になり、点字を学んだそうですね。 あなたは盲学校の図書室にて点訳された本を借りて読んでいたけど、少女向けの本は限られていたとの事。 卒業してからは盲人センターから送って頂いた点訳本を一時は時を忘れて読みあさっていた様ですね。 でも、腱鞘炎になってからは点字を読むことが少なくなったとの事……。そんな中、点字しか読み書き出来ないあなたですが、最近ではその点字からも遠ざかっているとの事……。そんな中で、ページ数もちょうど良く、読みやすい点訳本に出会た事が嬉しくありがたい気持になったと言う事。あなたは、こうした点訳本を制作している人達に感謝の気持ちを手紙にしたためて下さいました。あなたのお気持ちを忘れず点字点訳をこれからも習得して行き、読みやすい本を制作して、あなたの手元に届けて行ければと考えました。 目が見えない事を考えれば本当に辛くて、と言うより見えないのだから辛いと言うより、絶望感の方が強くなって当たり前と思うけど、あなたは目の見えない事を受け入れて点字を学んで、点訳本が読める様になっ

たと言う事は本当に素晴らしい事と思います……。でも目の見える私は正直その事を考えているのかと……。 簡単な言葉、気持ちでは言えない事なので……。 あなたがこれからも点訳本が読める様に、あなたの気持ち考えも思いながら一字一字点字を打って点訳本を制作して行く事を約束致します。 あなたへ (2) あなたは、やはり視覚障害者であり点訳本を借りて読まれているとの事、あなたも、ちょうど良いページ数で読みやすい点訳本と言う事で喜んで下さいました。 あなた方から、点字点訳を制作をした私達、私にお礼の手紙を下さった事によって、もっともっと点字点訳を学んで、より良い点訳本を制作して行こうと強い気持ちになりました。又、点字技能師の資格を取ろうと言う気持ちと言うか、目標、夢となりました。 少しでも社会貢献が出来ればとの思いで一杯です。 あなたにもっともっと喜んでもらえる様に頑張って行きます。視覚障害者の人達のお役に立てる様に自分なりに出来る事をやって行きます。点訳本をもっともっと読んで下さる事を願っています。

作品タイトル

あなたへ

作者

作品本文

あなたは現在76才・小学2年生から強度の弱視で盲学校でお世話になり、点字を学んだそうですね。
あなたは盲学校の図書室にて点訳された本を借りて読んでいたけど、少女向けの本は限られていたとの事。
卒業してからは盲人センターから送って頂いた点訳本を一時は時を忘れて読みあさっていた様ですね。
でも、腱鞘炎になってからは点字を読むことが少なくなったとの事・・・・・・。そんな中、点字しか読み書き出来ないあなたですが、最近ではその点字からも遠ざかっているとの事・・・・・・。そんな中で、ページ数もちょうど良く、読みやすい点訳本に出会た事が嬉しくありがたい気持になったと言う事。あなたは、こうした点訳本を制作している人達に感謝の気持ちを手紙にしたためて下さいました。あなたのお気持ちを忘れず点字点訳をこれからも習得して行き、読みやすい本を制作して、あなたの手元に届けて行ければと考えました。
目が見えない事を考えれば本当に辛くて、と言うより見えないのだから辛いと言うより、絶望感の方が強くなって当たり前と思うけど、あなたは目の見えない事を受け入れて点字を学んで、点訳本が読める様になったと言う事は本当に素晴らしい事と思います・・・・・・。でも目の見える私は正直その事を考えているのかと・・・・・・。
簡単な言葉、気持ちでは言えない事なので・・・・・・。
あなたがこれからも点訳本が読める様に、あなたの気持ち考えも思いながら一字一字点字を打って点訳本を制作して行く事を約束致します。

あなたへ (2)
あなたは、やはり視覚障害者であり点訳本を借りて読まれているとの事、あなたも、ちょうど良いページ数で読みやすい点訳本と言う事で喜んで下さいました。
あなた方から、点字点訳を制作をした私達、私にお礼の手紙を下さった事によって、もっともっと点字点訳を学んで、より良い点訳本を制作して行こうと強い気持ちになりました。又、点字技能師の資格を取ろうと言う気持ちと言うか、目標、夢となりました。
少しでも社会貢献が出来ればとの思いで一杯です。
あなたにもっともっと喜んでもらえる様に頑張って行きます。視覚障害者の人達のお役に立てる様に自分なりに出来る事をやって行きます。点訳本をもっともっと読んで下さる事を願っています。

作品ジャンル

手紙

展示年

2025

作品説明

点字・点訳のクラブ活動に入部をして学ぶ中、1冊の小説を点字・点訳をしています。それを、視覚障害者の人達が見られる場所があります。今回そうした中、実際に私が点訳、点字本として作成したのを手に取られて読んだ視覚障害者の人から、直接のお礼のお手紙を頂いた事もあり、これから先の自分に宛てた手紙を共に、視覚障害者の人達の為に少しでもお役に立てる事が出来ている自分の先の事を思って書きました。

I joined the Braille and Braille‑translation club. As part of my learning, I have been transcribing one novel into Braille. There is a place where people with visual impairments can read it. This time, among those circumstances, I received a letter of thanks directly from a visually impaired person who actually picked up and read the Braille book I created. Along with a letter addressed to my future self, I wrote this piece while thinking about a future in which I can be of some help, even in a small way, to people with visual impairments.

“奈良監獄ミュージアムC棟7号室「刑務所アート」展示作品” への3件の返信

  1. 奈良監獄ミュージアム展示室特設ページ開設おめでとうございます。
    せっかくなのでテストを兼ねてコメント一番乗り、です!
    スマホ片手に展示全作品の作者の声に触れられるのは今までのホームページとは違った体験で新鮮でした。作品が画面いっぱいに表示されるのもインパクトありますね!
    心に残った作品と後から何度でも会える、そんな使われ方も想像されました。

  2. ん? 送信した後自分の書いたコメントが表示されてまた新たなコメント欄が出現した。
    ここは「コメントありがとうございました」が出るといいのかも。

    コメントの公開を、⬜︎希望する、⬜︎しない、みたいなのがあってもいいのかな。
    自分のコメントを読むことになると後から修正したい気持ちにさせられるけどできない……この取り返しがつかない感は少し怖いかも。

  3. エンドレスですね。何らかの終わった感が必要かも?

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