「第3回刑務所アート展」募集案内 

「刑務所アート展」は、刑務所で過ごす人たち、刑務所とかかわる人たちの芸術表現を集め、展示することで、塀の内と外をつなぐ対話を生み出す活動です。これまでに2回、展示会を開催し、全国約30箇所の刑務所から送られた250以上の作品を、延べ1000人以上の方に観ていただきました。2025年5月頃に実施予定の「第3回刑務所アート展」に向けて、作品を募集します。

作品募集期間は2024年10月1日〜2025年1月31日、展示会場・期間は検討中ですが、来年2025年の5月頃、東京のギャラリーおよびオンラインでの展示・鑑賞を予定しています。

作品をご応募いただけるのは、刑務所とかかわるすべての方です。

受刑者の方はもちろん、刑務官の方からも応募を歓迎します。少年院や拘置所など他の刑事施設からもご応募いただけます。

他にも、支援者やご家族の方、元受刑者の方、過去の刑務所アート展に来場いただいたり、Prison Arts Connectionsのイベントにご参加いただいたりした方など、刑務所と関わりのある方(あった方)は、立場やきっかけ、かかわり方を問わず、作家としてご応募・ご参加いただけます。

10月から全国各地の刑務所へ募集案内・応募用紙の発送をはじめました。以下、この記事でも同様に、企画概要、募集テーマ、応募方法などをご案内します。
※募集案内および応募用紙のPDFファイルも記事の最後にアップしています。

第3回刑務所アート展 実施概要

募集期間:2024年10月~2025年1月
展示予定:2025年5月(東京&オンライン)
募集部門:テーマ部門2種および自由部門
作品応募者:刑務所にかかわるすべての方
応募方法:所定の形式で作品を制作し、応募用紙と共に郵送
主催:Prison Arts Connections(プリズン・アーツ・コネクションズ)

第3回刑務所アート展では、「テーマ部門」と「自由部門」を設けて作品を募集します。テーマ部門では、①誰か一人に宛てた匿名の「手紙」、②刑務所の外にいる人に叶えてほしい「お願い」という、二つの企画を立てました。それぞれの企画内容と応募方法をご確認のうえ、所定の形式で作品を投稿してください。自由部門は、その名の通りなんでもOK!どんな内容、どんな道具で、どんな形の作品でもかまいません。

アートには、一つの「正解」や「まちがい」はありません。表現することに、資格も免許も要りませんし、技術や経験も問われません。自分が感じたこと、考えたことを、他の誰かに伝えたい、共有したい。そんなあなたの思いを、他の誰でもない、あなた自身が表現したもの、それがアートであり、あなただけの「作品」です。

たくさんの方からのご応募をお待ちしております。

テーマ部門① 「あなたへ」―たった一人に向けた匿名の手紙たち


たった一人の「あなた」に向けた手紙を募集します。

毎日顔を合わせる人、かつて一緒に過ごしていた人
もうすぐ会える人、いつか会えるかもしれない人、もう二度と会えない人
一度しか会ったことがない人、本やテレビを通して出会った人
自分が傷つけてしまった人、自分が許せない人
自分を救ってくれた人、自分を笑わせてくれた人、自分を奮い立たせてくれた人
生活や仕事を伴侶として共にする動物やAIアシスタント
直接会ったことはない(会えない)けれど自分に影響を与えてくれた、歴史や物語上のキャラクター
などなど…

どんな立場、どんな関係の相手に宛てた手紙でもかまいません。
その手紙を、本人にではなく展示作品として私たちのもとに送ってきてください。

みなさんから送っていただいた手紙は、「第3回刑務所アート展」で展示します。
会場で手紙を手に取った方からの感想やお返事を集めて、展示終了後にそれぞれの応募者にご報告します。

この企画は、文通の仲介ではありません。送り主も宛て名も匿名で展示され、相手に直接届くことはありません。
「届くことのない手紙」だとしても、思いを受け取ってくれる別の「誰か」が現れるかもしれない。
お互いに顔の見えない、塀で隔たれた「わたし」と「あなた」が、一通の手紙を通して繋がることができるかもしれない。
そんな、小さな願いを込めた企画です。

本当はあの人に伝えたかった。だけど、言葉にできないままだった。
胸の内に秘めた思いを、「手紙」という形で表現してみませんか。

テーマ企画「あなたへ」の流れを説明したイラスト ①手紙の宛先を決める。②手紙を書く。③手紙を展示する。④手紙へ返信する。

応募形式

以下の形式に従って、応募作品=手紙を書き、応募用紙と一緒に送付してください。

  • 応募作品(=手紙)のタイトルは、すべて「あなたへ」で統一してください。
  • 手紙の本文内でも相手の名前を書かず、「あなた」と表記してください。
  • 家族や同級生といったグループ単位ではなく、必ず誰か「一人」に宛てた手紙にしてください。
  • 書き手であるご自分(応募者)の名前は、ペンネームを使用してください。手紙本文内でも「わたし」など個人が特定されない一人称をお使いください。
  • 手紙の書式(縦書きか横書きか、どんな言語を使うかなど)や内容、文字数に制限はありませんが、最大で便箋(などの紙)4枚までに収めてください。

テーマ部門② 「刑務所の中からのお願い」ー刑務所の内と外のコラボレーションに向けて

刑務所の外の人に実現してほしいあなたの「お願い」を募集します。

みなさんから応募された「お願い」の中から、選ばれたものについて、刑務所の外にいる私たちが、実現しようと思います。
どのお願いを実現するかは、展示期間中に来場者や審査員の方と話し合って決めます。

実現しやすいお願いだけでなく、無理難題でもかまいません。
ばかげているかもしれないお願いから、切実なお願い、一生に一度のお願いまで、あなたが今もっている「お願い」を教えてください。

これまでの刑務所アート展では、みなさんから自由に表現してもらった作品を募集し、集まった作品を展示してきました。
今回は、刑務所の中のみなさんと、外にいる私たちが「コラボレーション」できる可能性を探りたいと考え、この企画をつくりました。

例えば…

  • 自分が書いた設計図通りに、作品を組み立てて完成させてほしい。
  • うちの刑務所長に◯◯◯についてどう考えているか、インタビューしてほしい。
  • 刑務所の壁を使ってプロジェクションマッピングをしてほしい。見てみたい。
  • 自分が書いた脚本を演劇として上演してほしい。
  • 富士山に登って頂上で撮った写真を送ってほしい。
  • 面会に来て話を聞いてほしい。
  • 展示期間中に「◯◯◯」をテーマにした議論や対話をしてほしい。
    など。

金銭や高額な物品の要求などにはお応えできません。
誰かとの「コラボレーション」につながるようなお願いをお待ちしています。
また、すべてのお願いを実現することはできませんので、あらかじめご理解ください。

テーマ企画「刑務所の中からのお願い」の流れを説明したイラスト。①お願いしたいことを書く→応募する→②刑務所の外にいる人たちがお願いを実現する。

応募形式

以下の形式に従って、応募作品となる「お願い」を手紙で書き、応募用紙と一緒に送付してください。

  • 刑務所の外のヒトにお願いしたいことを手紙(便箋)にお書きください。
  • なぜそのお願いをしたいのか、理由も一緒に教えてください。

※服役中の受刑者の方だけでなく、刑務官等の刑事施設で働かれる方、少年院や拘置所など他の刑事施設からのご応募も歓迎します。

自由部門 刑務所の中から外へ届けたい表現をなんでも募集!

刑務所から外に送ることのできる作品に「作品タイトル」と「作品説明」をつけてお送りください。

これまでの刑務所アート展が募集してきた絵画や書、マンガ(4コマ漫画を含む)、詩、短歌、俳句、川柳、エッセイ、小説など、どのような作品ジャンルでもかまいません。

また、作品ジャンルにしばられない、新たな表現、表現と呼べるかどうかもわからない刑務所の中の珍しいモノでも、「作品タイトル」をつけて外に送ることができるものは、なんでも受け付けます。

送っていただいた作品は原則としてすべて展示する予定です。

応募形式

以下の形式に従って、応募作品と応募用紙を一緒に送付してください。

  • 文章作品は便箋や原稿用紙などの紙を用いて応募してください。
  • (主に受刑者の方へ)絵画や書などは、郵送宅下げ願いや同封許可願いを用いて送ってください。
  • 便箋に書かれた作品もそのまま展示するため、本名など個人を特定可能な情報は作品の中に書かないでください。
  • 短歌や俳句、川柳は縦書きで応募することを推奨します。
  • 短歌や俳句、川柳は、一句(一首)を1つとカウントしますので、連作としてまとめないようにお願いします。

応募用紙に書かれた「作家名」「作品名」「作品説明」のキャプションがそのまま展示されます。
(本名や刑務所名など個人が特定される情報は公開されません)

※全体概要に記載の通り、刑務所の外にいる方も、自由に作品をご応募いただけます。

応募要項、応募にあたっての注意事項

応募対象者

刑務所で過ごす方、刑務所とかかわる方は、どなたでもご応募いただけます。受刑者の方はもちろん、刑務官の方からも応募を歓迎します。少年院や拘置所など他の刑事施設からもご応募いただけます。

支援者やご家族の方、元受刑者の方、過去の刑務所アート展をご覧いただいた方、Prison Arts Connectionsの活動や刑務所アート展の趣旨、募集テーマに共感いただいた方など、刑務所と関わりのある方(あった方)は、立場やきっかけ、かかわり方を問わず、作家としてご応募・ご参加いただけます。

※受刑者以外の応募者は、よろしければ差し支えない範囲で、ご自身の刑務所とのかかわりや応募のきっかけなど、お聞かせいただけると幸いです(応募用紙の余白や任意の別紙などにお書きください。もちろん、任意です)。

作品制作の材料の入手方法(主に受刑者の方へ)

  • 自主学習願いにより、希望する文具の使用許可を得ることができます。
  • 使用許可が認められれば、特別購入願いにより希望する文具(物品)を購入することができます。

作品を送る方法(主に受刑者の方へ)

  • 詩や短歌、エッセイ、書、手紙などの文章表現は、便箋を用いてお送りください。必要に応じて、同封許可願いを申し出てください。
  • 絵については、郵送宅下げ許可願い、もしくは同封許可願いによりお送りください。
    ※各種許可願いの理由欄には「外部の審査委員に評価をしていただくため作品を同封したく許可をお願いします」とお書きください。
  • 「応募用紙」を忘れずに記入してください。

応募方法

  • 作品は一人最大3つまで応募できます。
  • 1つの作品につき1枚の「応募用紙」をつけて以下にお送りください。
  • 応募にあたっての「同意書」にも署名をして一緒にお送りください。

※この記事の最後に募集案内と応募用紙のPDFをアップロードしています。ファイルをダウンロードのうえ、各自で印刷の上ご応募ください。
なんらかの事情で、作品制作や応募方法についてご質問やご相談、個別のサポートが必要な方は以下のお問い合わせ先にご連絡ください。

作品の応募先

〒630-8258 奈良県奈良市船橋町10 奈良県立大学 風間勇助 宛

お問合せ先

上記の作品応募先、またはPrison Arts Connectionsの問い合わせフォームからご連絡ください。
https://pac-j.com/contact/

その他応募にあたっての注意事項

  • 応募作品は、各所での展示、記録集等の冊子、Webサイトに掲載する場合があります。
    ※「応募用紙兼同意書」裏面の著作権および作品の取り扱いについてのご案内をお読みください。
  • 作品は原則返却できませんが、返却を希望される場合は、問い合わせ先までお知らせください。
  • 応募の際は「作家名(ペンネーム)」をつくってください。
    ※作品展示にあたって、本名や刑務所名など個人が特定される情報は公開いたしませんのでご安心ください。
  • 応募用紙に直接作品を書き込まずに、かならず別の用紙(便箋など)に作品をかいてください。
  • 既存の漫画やアニメのキャラクターの絵など、著作権侵害のおそれがある作品は、展示や記録集への掲載ができなくなる場合がございます。

募集案内、応募用紙のダウンロードはこちらから

以下のGoogleフォルダに募集案内、応募用紙のPDFデータをアップロードしています。ご自由にダウンロードし、閲覧、印刷してください。

https://drive.google.com/drive/u/2/folders/15YWcRCeJmWsT3aghrMfXFvwi5k1X-VFT

募集案内

以下から、募集案内のPDF版をご覧いただけます。内容はこの記事の本文内でここまで書いてきたものと同様です。

A4・カラーで6ページのファイルです。

  1. 表紙
  2. 企画の趣旨説明とご応募の呼びかけ文
  3. テーマ部門①
  4. テーマ部門②
  5. 自由部門
  6. 応募要項、応募にあたっての注意事項
    の順番です。ご自宅のプリンターなどで印刷してご覧いただくだけでなく、身近な人に自由にご紹介、お配りいただいてかまいません。

運営団体では、主に刑務所などの刑事施設宛に発送する用途で、カラー・三つ折り・両面印刷で募集案内を一定部数印刷しております。

受刑者等の支援に携わっており、刑務所等への募集案内送付にご協力いただける団体・個人の方など、まとまった部数で印刷版の募集案内を必要とされる方は、問い合わせフォームからご連絡ください。
https://pac-j.com/contact/

応募用紙兼同意書

1つの作品につき1枚の応募用紙を使用してください。同意事項については、別紙「著作権および作品の取り扱いについて」をお読みの上で同意・署名してください。

第3回刑務所アート展応募作品の著作権および作品の取り扱いについて

この文書は、みなさんからの応募作品を、刑務所アート展の運営団体「Prison Arts Connections」(プリズン・ アーツ・コネクションズ)がお預かりするにあたって、大切なことをご説明するものです。

  • 著作者(作家)としてのあなたの人格を尊重するため
  • お預かりした作品を責任をもって管理・展示・活用し、あなたの表現をより多くの人に、よりよい方法で届けていくため
  • あなたの作品が、第三者から不当に利用(盗用・転売など)されることを防ぐため

応募作品と著作権を以下の書面に記載の通り、取り扱っています。内容をよくお読みいただき、「別紙の応募用紙兼同意書」の「同意事項」に署名・同意をお願いいたします。

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