作品タイトル
想いを唄に
作者
蜂野文也
作品本文
~お願い~
唄を作り届けたいです。
~理由~
現在とある事情により、妻と連絡が取れないのですが、どうしても僕の気持ちや妻への想いを届けたく、今回のお願いをさせていただきました。
あらすじを次項より書きましたので、読んでいただければ幸いです。
なお、プライバシー保護の観点から、ぼかした表現になっているため、誤解を生じる部分や不快に思われる点があるかもしれません。
あらかじめ、ご了承願います。
~あらすじ~
妻とは15年前に共通の知人を介して知り合いました。
当時妻には付き合っていた男性がいたのですが、僕は妻のことを一目見た時から好きになっていたので、猛アタックし、それを知った彼氏と僕とで殴り合いの大喧嘩の末(妻は大喧嘩のことは知らない)2人を別れさせ、
僕が妻と付き合うことになりました。
僕はその時妻に「ずっと好きでいる」「絶対に離さない」「どんな事があっても守り続ける」「必ず幸せにする」などの約束をしました。
それまで居場所の無かった僕に妻が居場所になってくれた、その事が本当に嬉しかったです。
あの頃は本当に幸せで、いつでも、どこでも一緒にいて周囲から面と向かってバカップルと言われるほどラブラブで喧嘩も一度もしたことがありませんでした。
しかし、数ヶ月後ほんの些細な事、喧嘩とも言えないようなすれ違いで別れてしまいました。
当時の僕はまだ未熟で自分の言葉で大切な人を傷付けてしまうかもしれない事や、自分自身が傷付く事も嫌で彼女と向き合おうとせず逃げてしまいました。
それからの僕は、何もかもが、どうでもよくなって本当にめちゃくちゃでした。自分の弱さを憎んでは、周りに当たり散らかす毎日。荒れていく一方でした。
ただ、僕は付き合った時の約束をほとんど守れませんでしたが、たった1つだけ、「ずっと好きでいる」ということだけは、別れた後も変わりませんでした。
地元でバッタリと再会することもあり、何度がよりを戻したい、と伝えましたが、あいまいな返事しかもらえず時は過ぎていきました。
そんなある日、彼女がある事件に巻き込まれて捕まったという噂が地元で流れたんです。
ただ僕らは元々不良と言われるタイプの人間だったため、捕まるという事に特別驚くこともなく、何かバカやったんだろう、大したことはない、すぐに出て来れると軽く考えていました。
こんなことを言うと調子のいい奴と思われるかもしれませんが、僕は彼女がどういう人間かを知っていたので、全く心配はしていませんでしたし、すぐに出て来ると確信していました。
なので、多少はしんどい思いもするとは思いましたが僕から特に何かをするといったことは、ありませんでした。
それからは連絡を取ることもなく、月日は流れ、数年後、今度は僕がある事件に巻き込まれて捕まりました。
拘置所で過ごしていたある日、彼女から手紙が届き住所を見てみると東京拘置所となっていました。
すぐに出れると思っていた、あの事件で彼女は数年にわたって戦い続けていたのです。
自分が大変な立場であるにもかかわらず、彼女は僕を心配して何通も手紙を送り続けてくれました。
その手紙には付き合っていた時の事、別れた時の事、地元で再会した時の事、僕がよりを戻したいと告白した時の事、僕が捕まった時の事、などその時々に思っていた事を書いてくれていました。
離れていても、別々の道を歩いていても、お互いがお互いの事を考えていたんです。
本当に嬉しかった。そこで僕はもう一度気持ちを伝え彼女もそれを受け入れてくれて、改めて付き合うことになりました。その際プロポーズも同時にし、先は長いけど2人で一緒に生きていくことを約束しました。
現在はお互いの受刑生活への影響などを考え籍を入れていないため連絡が取れません。
ここまでがあらすじになります。
そこで今回のお願いになるわけです。
妻への想いを唄という形にしたい。そして可能ならばその唄を妻に届けたい。これが僕の願いです。
唄という形を選んだ理由は、刑務所での情報源(施設が提供してくれるもの)が新聞、テレビ、ラジオ、なので唄であればテレビとラジオ、特にラジオは唄との相性が良く、有名でなくても流してもらいやすく、妻に届く可能性が一番高いと思ったからです。
より具体的なエピソードは製作が決定してから関係者にのみお伝えさせていただきます。
宜しくお願い致します。
作品ジャンル
お願い
展示年
2025
応募部門
テーマ部門②「お願い」
作品説明
妻への想いを唄にしたいというのが今回のお願いです。
過去に付き合っていた2人が別れたあと数年後に別々の事件に巻き込まれて、捕まり僕は20年、妻は無期という判決を受けました。
手紙のやり取りでお互いの気持ちを確認し、結婚する事を決意しましたが、とある事情により現在は連絡が取れません。ですので、今回、皆様のお力をお借りし、妻への想いを唄にしたく、応募しました。宜しくお願いします。