作品タイトル
「あなたへ」
作者
荒野雄光
作品本文
私は無期懲役囚になって服役し、31年目になります。身長168センチ、体重58キロ。極めて健康な体であり、令和7年3月に〇〇高校の通信制を古希で卒業します。
これまで生きて来て多くの方々に大変なご迷惑をかけてきましたので、残りの人生はあなたのために使いたいのです。私はあなたの役にたつならば、喜んで楽しく生きて行けると思うのです。
あなたの足が不自由なら私があなたを背追って歩き、あなたの目が不自由ならば私があなたとふたり分見るようにし、あなたの腎臓が不自由ならば2つある私の内の1つを差し上げます。私はあなたの役にたてれば本望なのです。
あなたは私に寄り添い、私はあなたと二人三脚で生きられることがとても嬉しいのです。
これまでずっとひとりで生きてきましたが、実は多くの方々に助けられ支援されて生かされていたのだと知り、これからはあなたと共に生きることが私の願いなのです。
作品ジャンル
手紙
展示年
2025
応募部門
テーマ部門①「あなたへ」
作品説明
私は今まで多くの方々にご迷惑をかけて生きてきましたが、来年古希になることを考えると、残りの人生はあなたのために使いたいと思うようになりました。
まだ見ぬ「あなた」、私の願いを叶えてくださることを待ち望んでおります。