謎の画家Dさんの作品ほか、PACに寄せられた作品がオーストラリアの刑務所文芸雑誌『Paper Chained』に掲載されました

オーストラリアの刑務所文芸雑誌『Paper Chained』の表紙と裏表紙。謎の画家Dさんの作品が採用されている。

オーストラリアで、刑務所からのアート作品を掲載している雑誌『Paper Chained』(ペーパー・チェーンド)に、Prison Arts Connections(PAC)に寄せられた作品が掲載されました。上の写真は、謎の画家Dさんの「横浜刑務所の中のようす」が裏表紙に大きく掲載されているものです。

雑誌『Paper Chained』はWebサイトによると、次のように説明されています。

『Paper Chained』は、収監されている人々のための執筆(writing)と芸術的表現のための雑誌です。当誌は非営利の出版物であり、オンラインでは無料で閲覧できるほか、ニューサウスウェールズ州および米国の収監者にはデジタル版を無料で提供し、オーストラリア国内のその他の地域の収監者には全国どこへでも無料で郵送しています。
https://paperchained.com/

この雑誌『Paper Chained』の編集長を務めているのがDamien Linnane(ダミアン・リネン)さんです。ダミアンさんは、昨年2025年に来日し、日本の刑務所アートを探していらっしゃるところでした。

左側にいるのが『Paper Chained』の編集長、ダミアン・リネンさん。右側にはPAC共同代表の風間が謎の画家Dさんの作品を手にしている。
『Paper Chained』編集長のダミアンさん(左側)

上の写真は、その時にPACに集められた作品のいくつかを見てもらった時の写真です。Dさんのこの作品をとても気に入った様子でした。ダミアンさんは、世界中の刑務所アートを収集されており、過去には「国際刑務所アート展」を開催したこともあり、今後も開催することを目指しているそうです。

その後、謎の画家Dさんの作品の購入を希望され、そのことを作家である謎の画家Dさんに伝えました。そして両者の合意により、ダミアンさんに買ってもらうこととなりました(なお、Dさんは出所後であったため作品の売買が実現しました)。Dさんも、「作品が売れるということは自信になるから嬉しい」と、おっしゃっていました。

ダミアンさん自身も、オーストラリアで刑務所にいた経験を持っていらっしゃいます。来日した当時のニュース記事によると、ダミアンさんが収容された刑務所では学習機会が十分になく、カウンセリングも受けられない環境だったそうです。気持ちを保つため絵や文章を書き始めたが、外部に発信できず、ストレスを抱えたようです。受刑者にとって「声が届いている」と感じられる場所が大切だと考えていたところ、『Paper Chained』の創刊・発行を手伝うようになり、現在は編集長をされているとのこと。

*関連記事「販売店で1時間超。日本の刑務所製品、オーストラリアから来た「受刑者アート雑誌」編集長の目にはどう映った?」(2025年8月6日)

雑誌『Paper Chained』の誌面にPACに寄せられた作品が掲載されているところ。

謎の画家Dさんの作品は、その原画がダミアンさんのもとにわたりましたが、そのほかに、PACのWebサイト上で掲載している作品から『毎日楽しい公務員』(作家名・不採択)、『NO MUSIC NO LIFE / NO LIFE NO MUSIC』(作家名・いがらしきり)が『Paper Chained』のなかで紹介されています。

*雑誌『Paper Chained』の上の写真の誌面は以下の号からWeb上でもPDFでご覧になれます。以下のリンクから、『Paper Chained』のWebサイトにいくとダウンロードすることができます。

『Paper Chained』ISSUE  19

『Paper Chained』ISSUE  20

ダミアンさんには、PACが過去に実施したクラウドファンディングでも次のような応援メッセージをもらいました。

アートは、私自身が刑務所生活を送っていた当時も大きな支えの一つでした。アートを創造する行為には、心を癒し、人生を変え、社会復帰を支える驚くべき力があります。この素晴らしい展覧会を企画してくださったことに、心から感謝しています。この展覧会は、アーティストたちだけでなく、私たちコミュニティにとっても大きな意味を持っています。
Art was one of the main things that helped me get through my own prison sentence. Making art has an incredible power to heal, change lives, and assist people in their reintegration back to society. Thank you for putting together this incredible exhibition. It really makes a difference for both the artists and the community.
第3回刑務所アート展 クラウドファンディングページ

これからもPACの活動や作品が世界中に広がっていくことを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です