作品タイトル
刑事施設のデジタル化を進めてほしい
作者
猫渡聖夜
作品本文
作品説明で書いたように、刑事施設というのは旧態依然としたアナログに満ちています。何をするにも全て紙を通してでしか行うことはできません。施設での手続きはもちろんのこと、収容者が何かを購入するのも外部との連絡手段も、情報も学習手段も全てがアナログです。
それら全てが悪とは言いません。しかし、手段がアナログのみに限られているという現状は、施設にとっても収容者にとっても、そして出所した収容者を受け入れる社会にとってもマイナスであると言えます。
収容者の視点からすれば、今後ますますデジタル社会が当たり前になっていく世の中で、ただでさえ社会にうまく適応できずに施設に来てしまっている人たちが、施設内でしか通用しないような特殊なアナログ環境の中で何年も、人によっては何十年も隔絶されてしまっては、円滑な社会復帰など望めないのは明らかです。
施設内での必要な手続きは全てデジタル上で完結できるようシステムを構築し、収容者一人一人がタブレット端末でもってそれら手続きなどを行えるようになれば、今ある施設での業務は大幅に削減され、本来必要な仕事にもっと労力が割けるようになります。収容者としてもデジタルな手続きに慣れることができ、社会復帰に有用な外部とのコミュニケーション(メールなど)や情報集収、学習機会の増加などの大きなメリットがあるでしょう。
収容者が容易に外部にアクセスできるのは保安上の懸念かでてくる問題なども考えられます。しかし、仮に外部とのメールができることになっても、AIでの検関なども可能になるため、従来の人が手紙を一枚一枚確認するような業務と比べても、業務も効率的かつ正確でログとしても残せるため、むしろ安全性も上がるでしょう。あとは外部の人が本人確認のできる専用のアプリを使えばいいだけです。
情報集収や学習に関しても、アクセスできる場所や学習方法をきちんと制限できるようにすればいいだけで、たった官公庁やNHKのHPにアクセスできるだけでも収容者にとって重要な情報はたくさん得られます。最近ではNHKラーニングなどもあるため、実質どんな収容者でも無料で無限に学習できることになり格差もなくなります。
デジタル化による考えうる懸念というのは、そのほとんどのものはきちんと検討すればメリットの方が上回るもののはずです。予算や法改正、専用のシステムの構築など、実現するには様々なハードルがあると思いますが、世の中にとって絶対に良い変化となるはずです。そのため、ぜひ関連各所の人たちと協力し、施設のデジタル化を推進してほしいと思います。もちろん、その際は僕自身も大いに協力します。
作品ジャンル
お願い
展示年
2025
応募部門
テーマ部門②「お願い」
作品説明
刑事施設というのは本当にアナログなところで、収容者に関する全ての手続きは未だに紙のみで行われています。そのため、施設の職員の方々はそのアナログな業務に忙殺され、本来もっと力を入れるべき収容者の更生への取り組みや人権問題などといった様々なことに、そこまであまり手が回らず疎かになっているのが今の施設の現状です。
そのため、政治家や民間の企業、収容者や刑務官などの人たちと協力し、施設のデジタル化を進めてほしいです。